2022年版 国内EC売上高上位100サイトにおける「商品レビュー機能」調査レポート
消費者の購入を後押しするUGC(User Generated Content = ユーザー生成コンテンツ)マーケティング施策の1つとして商品レビューはますます注目を集めています。
ナビプラスでは、国内EC売上高上位100社(日本ネット経済新聞社調べ)が運営するECサイトのレビュー機能について調査しレポートにまとめました。
調査概要
調査方法
ECサイトのレビュー機能の投稿、表示、その他の機能に関する導入率を調査
調査期間
2021年6月9日 〜 2021年11月8日
調査対象
国内EC売上高上位100社(※)が運営する独自ドメインのECサイト
(※ 日本ネット経済新聞社【2021年新春版】通販売上高ランキングTOP520 調べ) 計96サイト
レビュー機能導入率
レビュー機能は8割以上のサイトで導入されていました。レビュー機能を導入していないサイトでもアンケートなどから収集 した顧客の声を掲載しているサイトもあり、上位100位のほとんどで顧客の声が活用されていることが分かりました。投稿に関する機能 1/2
総合評価(星評価)を収集しているサイトが86.5%だったのに対し、総合評価以外に「サイズ感」や「デザイン」など独自の項目を評価できるサイトは22.5%にとどまっています。投稿者の情報についてはニックネームが75.9%、「年齢」や「性別」などの属性情報は50.6%のサイトで収集されています。
レビューの内容について、フリーコメントは88.8%のサイトで投稿でき、画像や動画などが投稿できるサイトはそれぞれ21.3%、8.9%となっています。
投稿に関する機能 2/2
78.3%のサイトがマイページ(購入履歴)にレビュー投稿ボタンを設置しています。
商品ページにレビュー投稿ボタンを設置しているサイトは62.9%で、その中でも43.6%は未購入、8.0%は未ログインでもレビュー投稿が可能でした。
ログインまたは購入をレビュー投稿の条件とすることで投稿されるレビューの信頼性を高めようとするサイトが多いと考えられます。
表示に関する機能 1/3
総合評価(星評価)の平均点を集計・表示しているサイトは80.7%、回答の分布を表示しているサイトは50.1%でした。
一方で、「サイズ感」や「デザイン」など独自の項目では、平均点の集計・表示、回答の分布それぞれ14.6%、10.1%となっていました。
表示に関する機能 2/3
参考になった(参考にならなかった)ボタンを用意しているサイトは64.0%でした。
高評価、低評価それぞれで参考にされているレビューをピックアップしてレビューページの上部に表示しているサイトは11.4%にとどまっています。
ユーザビリティ向上に関する機能について、レビューを「新着順」「参考になった順」などで並べ替えるソート機能を実施しているサイトは47.2%でした。
回答の絞り込み機能は32.6%、「年代」「性別」など投稿者属性の絞り込み機能は24.7%のサイトに導入されており、レビュー内容をキーワード検索できるサイトは14.6%でした。
レビュー機能の導入率は高いものの、表示画面のユーザビリティ向上に努めるサイトは多くないようです。
表示に関する機能 3/3
投稿したレビューを投稿者自身が編集または削除できるサイトはそれぞれ25.7%、31.4%ありました。
レビューに対してスタッフからの返信機能を持っているサイトは11.2%でした。また、商品に対する質問を投稿でき、それに対して他のユーザやスタッフが返答するQ&A機能を導入しているサイトは20.2%でした。
これらの機能は、返信内容の検討や、質問内容をチェックするスタッフの運用負荷が高く導入に慎重になるサイトが多いため未導入率が高いと考えられます。
その他の機能 1/2
商品ページ以外でのレビュー表示について、23.6%のサイトで投稿者単位のレビューを一覧表示していました。
「高評価レビュー商品」などレビューを特集したページを作成しているサイトが2番目に多く21.3%でした。
また、トップページやカテゴリトップページに「新着レビュー」「お客様の声」というようにレビューを表示しているサイトも少なく、9.0%、7.9%にとどまっています。
レビューをサイト内のコンテンツとして積極的に活用する取り組みはまだ少ない様子が伺えます。
その他の機能 2/2
レビュー投稿の仕方やルールなど、レビューについて説明したページは53.9%のサイトに用意されています。
レコメンドや検索結果画面にレビュー件数、評価を表示しているサイトはそれぞれ33.7%、61.8%とレビューとの連携は検索の方が盛んなことが分かりました。
レビューを投稿したり、「参考になった」ボタンを押されたりすることでポイントが貯まりランクが上がっていくレビューランクの仕組みを導入しているサイトは5.7%にとどまりました。
まとめ
レビュー機能を導入しているサイトは多いものの、必要最低限の機能のみで機能拡充には至っていないサイトがまだ多くあることが分かりました。
レビュー機能はユーザビリティを向上させることにより、コンバージョン率や顧客満足度などの様々な効果を発揮し、収集したレビューはサイト内の強力なコンテンツとして機能します。
本レポートをレビュー機能の導入や機能拡充の検討にぜひお役立てください。
本レポートは下記ボタンより、PDF形式にてダウンロード可能です。