トレンド 2015.08.05
EC構築No1シェアecbeing林社長インタビュー

EC構築No1シェアecbeing林社長インタビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中堅・大手向けのECサイト構築ベンダーとして7年連続シェアNo.1と独走する株式会社ecbeing。EC業界で知らない会社は無く、その勢いは周知の通り。

環境変化のスピードが早いEC業界において、安定して高成長を続ける同社の代表取締役社長 林雅也氏に、同社が掲げる「ワンストップ&トータルソリューション」でのプロダクト・サービスの提供や、近年の市場環境の変化や今後の方向性についてお話を伺った。

ecbeingは、東証一部ソフトクリエイトホールディングスの100%子会社で、ECサイト構築から運用まで、中堅・大手向けEC総合ソリューションを提供している。導入実績は850サイト(2015年2月現在)を数え、ECサイト構築ベンダーとして、7年連続シェアNo.1を誇る。

 

顧客ニーズの変化

4〜5年前と比較して、EC業界におけるマーケティング・システム・運用・セキュリティといった要素はどんどん複雑化している。また、EC事業者の関連する部門も、EC部門や情報システム部門だけではなく、マーケティング、営業、物流などさまざまな部門へと広がっている。

EC事業者の姿勢も、ここ数年で「ECに参入しよう」「とりあえずサイトを作ってみよう」というフェーズから、ビジネスとしての成果を求めることはもちろん、さらにドライブをかけていきたいというフェーズに移ってきた中、同社は製品の基本機能のブラッシュアップを継続的に行なっている。

多くのユーザが、まずはサイトの構築という段階から、製品の豊富な機能をいかに使いこなして魅力的なサイトを作るか、更にはリアル店舗といかにしてシナジーを出していくか、という段階に移ってきていると感じています。製品も、世の中の流れに合わせ、例えばオムニチャネル戦略等に対応していくためのスマートフォン関連の機能やビッグデータの分析・活用を意識したマーケティング関連の機能が必要とされています。「ecbeing」も、ECサイトはもとより企業全体のデジタルマーケティングプラットフォームとして、そのベースとなる機能を引き続き強化していきます。
一方、業種別のソリューションといった切り口においても注力しています。商品の見せ方や売り方の違いにより、必要とされる機能は業界ごとに様々。例えば、ファッションアパレル業界向けに特化した「ecbeingアパレルテンプレート」を提供しております。”どの業界向けにも通用する機能”は逆に”通用しづらく”なっているのです。

ベストアンサーの理由

同社の製品は、カスタマイズも比較的少なく、スピーディーに導入できるという特徴を持つ。また、導入後にユーザの運用を支える人材も豊富に揃えている。複雑化したニーズに対応するため、フルオーダーメイドでの開発や、多くのカスタマイズを伴うパッケージを選択する企業もあるが、ネット業界の環境変化の速さや、導入後の運用面を考慮すると、同社の選択がベストアンサーになるユーザは少なくない。

結局、ユーザがどこに重きを置いているかだと思います。
当社のユーザは、その商品やブランド、店舗力が強み。それを我々がシステムやその運用支援で補完する役割を担っています。


フルオーダーメイドやカスタマイズによる対応が全てそうだとは言いませんが、必要な機能を洗い出し、拡張性やセキュリティ面、トラフィックや安定性を考慮して開発するとなると、膨大な時間がかかることも考えられます。そもそも、ECサイトに必要な機能は非常に多いため、それを洗い出すこと自体がユーザにとって難しい。ある程度の型がある上で導入し、その後改良していくほうが、ユーザにとってもイメージがつきやすく、結果的に導入もスムーズになると考えています。

実際に、同社の製品を導入後、市場環境やユーザニーズの変化に応じて拡張していくユーザがほとんどだという。

顧客の複雑化した課題を咀嚼し、部門間の橋渡しができる人材を育成

ecbeing林社長

 

同社の「総合力」を支えるもう1つのポイントである「人材」について、同社ではエンジニアリングだけではなく、サイトのプロモーションやデザインなどの業務理解を兼ね備えた人材を揃えている。

同社が必要としているのは、顧客の複雑化した課題を咀嚼し、ユーザのマーケティング部門、システム部門、EC部門間の課題をうまく橋渡しして、システム的に着地させられる人材だ。

単に分析ができる、デザインができる、システムが作れる、という個別のタスクだけでは、なかなかユーザの業績にはつながりにくいですよね。分析結果を見て、改善案をコンテンツやデザイン、システムに反映させ、結果を見てまた改善していくというPDCAを回す必要があります。


当社のエンジニアも、システム領域だけではなく、各業界の業務について勉強会を行ったりしています。単にシステムを知っているだけでは、ユーザに相手にしてもらえません。
みんなでコツコツ勉強していますよ。地味な取り組みですが、やり続けるしかないと考えています。そこに近道はありませんから。


以前は、極端に言えば製品開発に投資するだけでよかったのですが、今は人材育成に相当投資しています。育成自体に時間もかかります。しかし、継続していくことで総合力が向上し、必ず結果につながると考えています。

ECサイトを構築するだけではなく、その後安定的に稼働させるには大きな運用負荷がかかる。高い品質でサイトを構築し、その運用支援を行えるよう、同社では開発部隊と運用部隊を別々にしている。

ユーザの要求レベルが高まる中、同じメンバーが開発もサポートも行うというのは現実的ではありません。疲弊してしまいます。ユーザニーズに応え続けるためには、スキルも体力も必要ですから。

また近年、同社はセキュリティに関する投資も積極的に行なっている。

基本的なサービスとして、データセンターへのセキュリティ、製品自体のセキュリティ、その提供を行う人材にも投資しています。いわゆる「守り」の分野ではありますが、必要不可欠なものと考えています。

パートナーシップのポイントは「品質」「安定性」

これまでのお話の通り、「ワンストップ&トータルソリューション」でのプロダクト・サービスの提供を実現している同社。ユーザの課題に合わせ、様々なパートナーと協業するにあたり、そのポイントについて伺った。

ユーザの求めるクオリティが高まる中、構築・運用の品質が第一と考えています。先ほど述べた通り、ユーザニーズも多様化し、関連部署も増える中、トラブルが発生した際の影響の大きさは以前の比ではありません。
ECサイトの特性上、システムを導入して終わりではなく、その後、長期間運用していくわけですから、高い品質とシステムの安定性は最重要ポイントです。

ECサイトの構築や運用は、ユーザとだけではなく、複数のパートナー企業とともに動くことがほとんど。同社の意向に関わらず、ユーザが選定した企業とパートナーを組むことも少なくないが、中には上手くいかないケースもある。

ナビプラスの評価はどうだろうか。

構築、運用における技術面の安定性が高く、非常に組みやすいパートナーであると考えています。また、”こういう企画をやっていきたい””こういうサービスを、こういうレベルで提供しよう”という話をする際に、スムーズにコミュニケーションを取って連携できる点も評価しています。あとは、デジタルガレージグループの一員であり、経営の安定性が高いということも大事なポイントですね。
引き続き、ユーザ様を共に支援するパートナーとして組んでいきたいと考えています。

ナビプラスとしても、これまでに大きなトラブルなく、同社とともに数多くのプロジェクトを進めてきた。今後もユーザそして同社が求める高い品質のサービスを提供していきたい。


■編集後記■

いかがでしたか?

インタビューを通じて、社員やパートナーに対し、プロとしての高い品質を求めていらっしゃることを感じ、襟を正す思いでした。

同社の掲げる経営方針に「実利主義」というものがありますが、短期的な視点というより、中長期的な関係性を構築しながら実利を目指す、という姿勢を伺うことができました。

「頑張った人間はきちんと評価したい」という林社長。ecbeingでは、社長や執行役員も現場に出る、全員がプレイヤーということを徹底されています。導入社数を増やしつつ品質も担保する―林社長は「地味だ」とおっしゃいますが、これらの点が高成長を支える秘訣ではないかと感じました。

林社長、ありがとうございました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方にオススメの記事