ノウハウ 2014.08.29
ECサイトは"商品別"に戦略を立てるべし-『ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング』権成俊、村上佐央里【ブックレビュー004】

ECサイトは"商品別"に戦略を立てるべし-『ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング』権成俊、村上佐央里【ブックレビュー004】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは!マーケティンググループのツツイです!

今回は、先日ご紹介した「EC運用担当者が夏休みに読んでおきたいマーケティング関連本5選!」の中から、『ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング』のブックレビューをお届けします!

本書は2008年9月に発売された『ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略』の改訂版とのこと。
著者はEC事業者向けの経営コンサル等を手がける株式会社ゴンウェブコンサルティングの権成俊氏と村上佐央里氏(村上氏は2009年に独立)。

本書に書かれていることは、
Google AnalyticsでECサイトを分析し、商材別に戦略を立て、PDCAサイクルを取り入れること
に集約されます。

具体的なステップは以下の通りです。


   1. STEP1:4モデルの理解&自社製品・サービスに当てはめる
   2. STEP2:分析する目的・手法を理解する
   3. STEP3:Google Analyticsを使って実際に分析する
   4. STEP4:仮設を立てる
   5. STEP5:検証結果に基づき、カイゼンする

それではさっそく内容を見ていきましょう!
分析や仮説を立てる等、実際に手を動かすステップ以外についてご紹介します。

商品の特性×ウォンツとニーズから4つのモデルに当てはめる

さっそく本書のキモである4つのモデルをご紹介します。
ECサイトにおいて、「効率のよいアクセス対策」とは、以下の2つです。

  • 検索エンジンからの誘導による新規訪問
    ・インターネット消費行動モデルAISCEAS(アイシーズ:有限会社アンヴィコミュニケーションズの商標)
    =Attention→Interest→Search→Compare→Examination→Action→Share
  • リピート訪問
    ・サイトリピートと商品リピート
    ⇒サイトリピート(単品):同じ商品(本など)を買うなら、初回購入と同じサイトで購入。
    ⇒商品リピート(多品):同じファッションアイテムでも、サイトによって取扱商品が異なる。買うサイトを選ぶというよりも、商品自体を選ぶ。

続いて、ウォンツとニーズについてです。

  • ウォンツ:具体的な対象をイメージした獲得欲求
        ⇒ユーザーは検索によって商品を探す。
        ⇒「水が飲みたい」「ビールが飲みたい」
  • ニーズ:欠乏感を充足したいという欲求
        ⇒ウォンツのレベルまで具体化しないと消費につながらない。
        ⇒「のどが渇いた」
        ⇒検索時点では強い購買意欲がないので、サイト訪問後に購買意欲を高められるかどうかが重要(P.65)

4モデルは、上記のリピートの特性とニーズ&ウォンツの2軸のマトリクスにすると、以下のようになります。

     単品 多品
ウォンツ 指名買い型
・欲しいものが明確
・購買意欲が高い
・サイトの信頼性だけで購入に結びつけられる
カテゴリーキラー型
・ウォンツによる誘導で商品を購入
・サイトの利便性や特徴に満足
・商品ではなくサイトに対する満足度でリピート購入
ニーズ 単品リピート型
・メーカー直販やニッチ商品の専門小売りモデル
・ニーズ商品をウォンツ商品に高め販売=コストをかける
・コスト回収には”単品リピート通販”モデルが適している
モール型
・ファッションやフードなど、欲しい商品を明確に定義しにくい
・リピート訪問時は前回と異なる商品を購入する

※P.74-75より抜粋

Google Analyticsで何が分かる?何を知るべき?

Google Analyticsを使っている方は多いと思いますが、分析を行なう際、単にアクセス数やPVだけを比較するに留まっていませんか?
もちろん、アクセス数やPVも大切ですが、少し漠然としてしまって、実際はCVが思うように上がらず、仕事ばかり増えてしまってはいないでしょうか。

アクセス解析の目的は、言うまでもなく「ネットビジネスを”見える化”すること」です。
しかしながら、アクセス解析で分かるのは、あくまで「推測」に過ぎません。

アクセス解析はあくまで推測であり、来店者を正確にカウントしたり、来店者の興味を明確に測ることはできません。だからこそ、より制度の高い分析をするためには”仮設”が必要なのです。(P.92)

一口に仮説といっても「立場によって立案する仮説(成功イメージ)は違います(P.93)」
経営者は「ネットビジネス全体の成否」に関心があるので、マーケットシェアや目標売上に必要な人員、事業の将来性・継続性などが仮説に当てはまるでしょうし、Web政策担当者の立てる仮説は、サイトの使いやすさやコンテンツの満足度、人気のページはどれか?等になるはずです。

本書で言う「仮説」とは、

「直帰率を30%以下にしたい」というような”目標設定”ではありません。目標が達成できる”理由づけ”が仮説です。「○○なユーザーを誘導してサイトで▲▲なメッセージを伝え、■■をクリックさせるから直帰率が下がる」というのが仮説です。そのようなイメージができて、初めて「直帰率」を見てみよう」と思うのです。誰もが「なるほど」と思う理由と行動がセットになったものが仮説なのです。(P.96)

と定義されています。

次に、前述のように立てた仮説に対して、Google AnalyticsによるSEMの検証を行ないます。
具体的な流れは以下の通りです。

  • 1.「目的」を知る(訪問数・検索キーワード・参照元・平均PV・平均滞在時間)
  • 2.「入口」の成否を知る(テーマの伝達・アクションボタンの明示・サイト全容の伝達
  • 3.「出口」の成果を知る(CVR・プロセスの放棄率)
  • 4.「閲覧範囲」を見る(上位の閲覧ページ)
  • 5.「リピート性」を見る((リピーター比率・リピート頻度)

詳しい解説は本書に譲りますが、Google Analyticsの画面キャプチャも豊富に掲載されており、精度の高い仮説を立てることができるようになり、具体的な目標の設定とカイゼンに向けたアクションを取ることができるようになります。

■編集後記■

いかがでしたでしょうか?

レビューの中では紹介しませんでしたが、Analyticsの詳細な設定・見るべきポイント・KPIや、ニーズをウォンツに昇華させる流れなど、今日からすぐにでも実践できる内容が盛りだくさんの1冊でした!

ではまた!「この本のレビューを書いて欲しい」「こんなテーマを取り上げて欲しい」など、ご要望・ご質問はお気軽にどうぞ!


<目次>

PART1 ネットショップの経営と戦略
1-01 ネットショップの落とし穴
1-02 ネットで買う理由
1-03 変化が早いからこそ変わらない価値を 他

PART2 ECサイト4モデル式マーケティング
2-01 小さな市場だからこそ利益にこだわる
2-02 売上はリピート購入で積み上げる
2-03 インターネット消費行動モデル 他

PART3 アクセス解析によるサイト改善
3-01 アクセス解析でネットビジネスを”見える化”する
3-02 アクセスログとは何か?
3-03 Googleアナリティクスの基本機能と特徴 他

PART4 ECサイト4モデル式アクセス解析
4-01 ECサイト4モデルの基本改善案とKPI
4-02 ウォンツ単品モデルは検索キーワードを軸にアクセス対策
4-03 ニーズ単品モデルはコンテンツ拡充でリピート率向上 他

PART5 ミッションが戦略を決める
5-01 競争に生き残るためには?
5-02 事例紹介1 Yシャツ通販 ozie
5-03 事例紹介2 引き出物直送 エンジェル宅配 他

PART6 Googleアナリティクスの設定
6-01 Googleアナリティクスの仕組みと特徴
6-02 Googleアナリティクスの利用を申し込む
6-03 トラッキングコードを設置する 他

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方にオススメの記事